太陽光発電における蓄電池の仕組みを解説!蓄電池を導入すべき理由とは?
目次
太陽光発電システムと蓄電池は相乗効果が期待できるため、セットで導入したい!という人が増えています。
では両方とも設置した方が良いのでしょうか?
ここでは、蓄電池の仕組みと太陽光発電との関係性、蓄電池を導入すべき理由をまとめてみましょう。
蓄電池とは?
蓄電池とは、充電して電気をためることで繰り返し使える電池のことです。
乾電池は充電した電気を使いきるとそれで終わりですが、蓄電池は何度も使えます。
近年、電気代の節約や、災害時の対策としても使えるため人気となっています。
蓄電池には、リチウムイオン、ニッケル、鉛蓄、NASなどいくつかの種類があります。
それぞれの特徴をまとめてみましょう。
リチウムイオン電池
リチウムイオン電池は高性能な小型蓄電池の1つで、家庭用蓄電池の大部分はリチウムイオン電池です。
小型でありながら大容量で、電力もニッケル水素電池よりも高いのが特徴。
ノートパソコン、携帯電話、ハイブリッド車、電気自動車など幅広い用途で使われています。
充電サイクルはメーカーによって異なり、4,000~10,000回など幅広く、約10~15年の寿命があります。
ニッケル水素電池
ニッケル水素電池も小型蓄電池の1つであり、環境にやさしいのが特徴。
ニカド電池は違い、カドミウムを使用しておらず、リサイクルが可能なので環境にやさしい電池と言えるでしょう。
また、乾電池との互換性が高く、乾電池が使える機器であればニッケル水素電池が使えます。
ニッケル水素電池の充電サイクルは約2,000回と非常に少なく短寿命なため、太陽光発電システムに使用される機会は少ないです。
鉛蓄電池
鉛蓄電池は、自動車や電動車いす、フォークリフトなどのバッテリーに使われる蓄電池です。
また、非常照明や非常用電源としても使用されます。
他の蓄電池と比べて安価で、安定性が高いのが特徴。
充電や放電の回数で寿命が変化することはありません。
NAS電池
NAS電池は、日本が開発した蓄電池であり、今では日本以外にアメリカやドイツなどでも使用されています。
コンパクトでありながら、大容量で寿命が長いのが特徴です。
太陽光発電・風力発電の事業用蓄電池として、発電所が導入するケースが増えています。
また、節電や非常用電源目的で、企業が導入するケースもあります。
蓄電池の仕組みとは?
蓄電池の仕組みのポイントは、ずばり「内部の化学反応」です。
蓄電池の内部は、金属を主とした2つの電極と電解質でできています。
2つの電極の性質は異なり、正極が電解質に溶けにくく、負極は電解質に溶けやすい性質です。
負極の金属が電解液に溶け出すと、電子が負極から正極に流れていく「放電」が起こります。
「蓄電」は、正極の金属が電解液に溶け出し、電子が負極に移ることで、電気をためられます。
つまり、蓄電池の内部で化学反応が起こると、電気を取り出す「放電」と、取り込む「蓄電」が行われます。
なお、蓄電池の種類が違っても仕組みは同じです。
太陽光発電システムに蓄電池を組み合わせるメリットとは?
太陽光発電システムを導入する際に、蓄電池と併せて設置するご家庭は増えています。
両者は相性がよく、併せて設置すると相乗効果が期待できるからです。
では、この2つを組み合わせるとどのようなメリットがあるのでしょうか?
災害時に非常用電源として使用できる
太陽光発電システムは、災害時の非常用電源として使用できます。
しかし、曇りや雨の日は発電できないため、災害が起こった時の天気に左右されるリスク・デメリットがあります。
特に、台風や豪雨による災害時は天候が悪いため、太陽光発電を非常用電源として活用するのが難しいケースが多いでしょう。
しかし蓄電池を設置しておけば、溜めておいた電気を利用できるので、災害時の天候の影響を受けません。
災害時の非常用電源としたいのであれば、両方の設置がおすすめです。
蓄電池に溜めた電気を夜間に使用できる
太陽光発電システムだけでは、夜間の電力自家消費ができません。
しかし蓄電池に充電しておけば、夜間でも発電した電気を自家消費できるので、節電や電気代節約につながるでしょう。
一般住宅の太陽光発電システムに導入される家庭用蓄電池とは?
家庭用蓄電池は、住宅用太陽光発電システムや一般住宅に使用する二次充電のこと。
以前は蓄電効率があまり良くなく、蓄電容量も少なかったのですが、現在は非常用電源として十分に使用できる蓄電容量があります。
電子レンジやIHクッキングヒーターなどの電力に使用できるでしょう。
また家庭用蓄電には、設置したら固定したまま使用する据え置きタイプの「定置型蓄電池」と、持ち運びや移動ができる「小型家庭用蓄電池」があります。
住宅用太陽光発電システムで使用されるのは、定置型蓄電池が一般的です。
まとめ
今回は、太陽光発電における蓄電池の仕組みや特徴、導入するメリットを解説しました。
蓄電池の設置は必須ではありませんが、蓄電池があれば太陽光発電で集めた電気をためることができます。
非常用電源としての活用や節電につながるのでおすすめですよ。
近年では、省エネや節電効果を希望する人は多く、太陽光発電導入に併せて蓄電池を設置する人は増加しています。
太陽光発電を導入する際には、蓄電池の設置も検討してみましょう。