【太陽光発電にかかる税金まとめ】太陽光発電はどんな税金が必要?
目次
自宅屋根に太陽光発電システムを設置する家庭は増えていますが、設置前に知っておきたいことがいくつかあります。
その1つが太陽光発電にかかる「税金」です。
実は、自宅屋根に太陽光発電を設置した場合、税金を払わなければいけないケースがあります。
ここでは太陽光発電システムの設置によって課税対象となる条件や、確定申告が必要なケースなどをまとめてみましょう。
太陽光発電にかかる税金とは?
太陽光発電設置にかかわる主な税金は、「所得税」「固定資産税」「消費税」の3つです。
それぞれまとめてみましょう。
所得税
所得税は、個人の所得に対して課される税金のことです。
日本は累進課税制度のため、所得が多ければ多いほど納税金額が高くなります。
太陽光発電システムで発電した電気を電力会社に売って得られた収入に関しては、課税の対象となる場合があります。
固定資産税
固定資産税とは、土地や家屋など固定資産を所有している場合にかかる税金で、所有している限り毎年納付しなければなりません。
屋根と太陽光発電システムが一体となっているタイプの製品を設置した場合、家屋と同等な扱いになるため、固定資産税がかかることがあります。
消費税
消費税は、すべての商品やサービスにかかる税金です。
太陽光発電で消費税が関係するのは、初期費用を支払う時です。
ソーラーパネルなどの機材費や、設置業者に支払う施工費には消費税がかかります。
太陽光発電の売電によって得られた利益で所得税がかかる条件とは
太陽光発電システムによる自家発電で電気を得られた場合、余った電気は電力会社に売ることができます。
売電によって得られた所得は、税制上「雑所得」「事業所得」「不動産所得」のいずれかに該当し、ご家庭の場合は「雑所得」に分類されるケースが多いでしょう。
売電によって得た所得に関しては所得税の課税対象となりますが、必ずしも課税されるというわけではありません。
課税対象となる条件は、以下の通りです。
所得が年間20万円を超える場合
売電によって得た所得が年間20万円を超える場合、課税対象となります。
ここで注意したいのが「所得」と「収入」は異なるということ。
所得は、必要な経費を引いた額で計算します。
太陽光発電の設備・システムは減価償却であり、「法廷耐用年数」というものが設定されています。
太陽光発電システムの法定耐用年数は17年間のため、初期費用を17で割った金額を経費として17年間計上することが可能です。
住宅用の太陽光発電システムの平均的な設置容量は、4~5KW程度。
ある程度の売電収入があったとしても、必要経費を差し引くと所得が20万円を超えるケースは少ないでしょう。
所得が20万円を超えた場合には、確定申告が必要となります。
太陽光発電システム設置で固定資産税がかかる条件とは
太陽光発電システムを設置すると、固定資産税がかかる場合があります。
課税対象となる条件は、以下の通りです。
「屋根一体型」を設置した場合
土地や家屋にかかる固定資産税は、一度作ってしまうと移動不可のものが対象となります。
つまり、太陽光発電システムで固定資産税がかかるのは、「屋根とソーラーパネルが一体化しているタイプ」を設置した場合です。
これらは「屋根一体型」「建材一体型」と呼ばれており、住宅の一部とみなされるため固定資産税の対象となる可能性が高いでしょう。
このタイプは、屋根材の中に太陽電池セルを組み込んでいて、屋根全体が太陽電池となっています。
10kW以上の売電を行う太陽光発電システム
屋根一体型以外の太陽光発電システムであっても、10kW以上の売電を行う場合には、固定資産税の課税対象となります。
売電が10kW未満で、取り外しタイプの太陽光発電システムであれば、固定資産税は発生しません。
<h2>売電収入があったら確定申告は必ずしなければならないの?</h2>
太陽光発電システムを設置して売電収入を得ると、確定申告をするべきなのか?と心配になる方も多いでしょう。
しかし、全ての人が確定申告対象となるわけではないのでご安心ください。
前述した通り、雑所得が年間20万円以下であれば確定申告の必要はありません
所得は売電収入から必要経費を差し引いた額なので、ある程度売電収入があるご家庭でも、ほとんどは確定申告をするほどの所得にならないでしょう。
ただし売電収入以外にも、副業や投資による利益がある場合、雑所得に当たります。
その場合は年間の雑所得が20万円を超えるご家庭もあるため、注意が必要でしょう。
太陽光発電にかかる税金の節税対策とは?
条件によっては、太陽光発電を設置することで、税金を支払わなければいけない場合があります。
太陽光発電における節税対策としては、経費になるもの、ならないものをしっかりと仕訳して適正な税申告をすることが重要です。
ここでは、経費として計上できるものをまとめてみましょう。
減価償却
太陽光発電システムを設置するためにかかった初期費用は、数年かけて分割して経費計上が可能です。
これを「減価償却」と呼び、所得から差し引くことで利益額を下げて、所得税を低くできます。
太陽光発電設備の法定耐用年数は17年となっているので、個人事業の経費として計上する場合には、17年間形上が可能です。
メンテナンス費用
ソーラーパネルのメンテナンスを業者に依頼する場合、その費用は経費となります。
さらに作業に立ち会った時の交通費、業者に差し入れをした際の接待抗夕日、電源や水道を貸した際の水道光熱費なども経費として計上できます。
保険料
各種保険商品において、家庭用太陽光発電のプランが販売されており、それらの保険料は経費として計上可能です。
関係する保険としては、火災保険、賠償責任保険、動産総合保険などがあります。
日本においては、台風、地震、大雨、火災など自然災害が多いため、屋根に設置したソーラーパネルのトラブルが発生する可能性が高いでしょう。
自然災害で損害を受けた場合に保障される保険に関しては、太陽光発電に必須と言えます。
ローンにかかる利息
太陽光発電の設置にかかる費用は高額なので、ローンを組んで返済するご家庭も多いです。
ローンを支払う時には利息が生じますが、この利息に関しても経費として計上することが可能です。
まとめ
今回は、太陽光発電システムを設置した場合にかかる税金をまとめてみました。
太陽光発電システムを設置したご家庭すべてが課税対象となるわけではありません。
太陽光発電の設置を検討する場合には、設置前に税金についても調べておくことをおすすめします。